登録販売者の資格は取るべきか

ドラッグストアや薬局などで、パートやアルバイトで働いている方は、一度は登録販売者という資格を聞いたことがあるでしょう。

 

でも、登録販売者の資格は、別に取らなくても良いと考えている人、取っても良いけど、果たしてメリットはあるの?デメリットもあるんじゃないの?勉強するのは面倒くさいと、資格取得を渋っている人もいるのではないかと思います。

 

確かに、登録販売者の資格は、ある程度勉強し、試験に合格しなければいけません。

が、試験の面倒さのデメリットよりも、取ることでメリットの方が大きいのです。

 

そこで、今回は登録販売者の資格を取るべきである理由をお伝えします。

まずは、皆さんが試験に受けたがらない理由となる登録販売者のデメリットからご紹介します。

目次

・デメリット

・メリット

・勉強・試験について

・試験の難易度

・結論

 

デメリット

1.一人前の登録販売者になるには、ハードルがある

まずは、登録販売者の試験に通ったとしましょう。通っても、すぐに一人前の登録販売者として

扱われるわけではありません。正式に登録販売者と認められ、独り立ちできるには直近5年の間に、2年分

の実務経験が必要です。それまでは、研修中の登録販売者となります。

ですから、資格を取って喜んでも、2年間の実務経験が必要なため、受かっても手放しで喜べないのです。

 

2.休日でも出勤しなければならない場合多数

一般従事者では医薬品は売れないので、他の登録販売者がいないときは、たとえその日休日でも、

出勤を頼まれることが大いにあります。休みと思っていたのに、他の登録販売者が急に出勤できなくなれば、出勤せざるを得ません。

働く店舗に、登録販売者が少なければ、その分負担が増えると言うことです。それだけ登録販売者は責任が重くなるということになります。

 

3.資格を活用するか

試験と受けるのをためらわれるのが、実はこれが一番の理由かもしれません。

結局、資格を取っても、その資格を活用出来るかどうかは分かりません。

活用できなれば、資格を取った時間と勉強の労力と、受験料(12,800円~18,200円)が無駄になります。

そうなれば、お金をかけてまで取る資格かなと思われるでしょう。

 

そこで、登録販売者の資格を取るメリットを挙げていきましょう。

メリット

1.多少の手当が付く

登録販売者になると、パート、アルバイトでも資格手当が付きます。そんなの大したことない、という方もいると思います。

しかし、時間給はわずかに増えただけでも、年収に換算すると年10万円ほどアップするので、働くモチベーションに繋がりそうです。また、店長などの地位までになると、役職手当も付きます。

 

2.達成感

登録販売者になり、白衣をまとうと責任感が生まれ、お客様にもよく医薬品の質問を受けることにもなるでしょう。

その際、的確な説明が出来て、購入に繋がれば、病気の改善に役立ち、お客様に喜んでもらうことも増えるでしょう。その達成感は、お金では変えられないのではないでしょうか。

 

3.幅広くキャリアを選択できる

パート、アルバイトスタッフならば、正社員の道も見えて来ます。

また、店舗管理者や店長、エリアマネージャーなどのキャリアアップも目指せます。

 

4.薬の知識を活かせる

登録販売者の資格を持つことで、自分や自分の家族などに健康に有益な情報を提供でき、健康維持に役立てることが出来ます。

 

勉強・試験について

それでは、登録販売者の試験を実際に受けるとして、試験の概要はどうでしょうか。

一般に勉強期間は3ヶ月~6ヶ月ほどといわれています。ですから、そんなに負担ではないでしょう。

そして勉強ですが、テキストをコツコツ学習し、その都度過去問を解くことをオススメします。

そして、出来なかったところを徹底的に復習し、苦手をなくす方法がベストです。

試験はマークシート方式なので、それに慣れる意味でも、過去問が良いです。

なぜなら、問題は厚生労働省が公開している「試験問題の作成に関する手引き」から出題されるので、基本難しい問題は出ません。

さらに、全問題120問のうち、70%以上の正答で、さらに5章からなる試験項目の出題数の35%(40%以上の都道府県もあり)の正答を求められます。

つまり、最低84問正答で、全5章35%(40%のところも)以上の正答率が合格ラインです。

 

試験の難易度

毎年、合格率のブレはありますが、概ね40%~50%ほどです。そんなに高い合格率ではないかもしれません。

しかし、余り勉強しなくて受ける人もいますから、その人を除けば、合格率はもっと跳ね上がります。

つまり、合格率は決して低くなく、しっかり勉強すれば受かるレベルと言えるでしょう。

 

結論

確かに、登録販売者の資格を取っても、すぐには活かせません。

が、長い目で見れば、責任が伴うのは当然のことですし、将来のキャリアアップ・昇給が見込め、試験もそう難しくないということであれば、ドラッグストア、薬局などで登録販売者の資格を取得して損はないでしょう。

また、一度登録販売者の資格を取ってしまえば、その資格は失効しないので、将来使える可能性もあります。

未経験から働く医薬品関係者は、是非登録販売者資格を取得しましょう。

登録販売者とその試験について

はじめに

登録販売者の資格は、多くの一般医薬品に携わることで近年需要が増えたため、受験者も増えて人気の資格となっています。

この資格を取ることで、お客様の悩みに直接応えることができ、お客様の病気の改善に寄与することが出来ます。

  • 登録販売者とは・資質
  • 勉強 独学でも? 
  • 試験について
  • 合格率・合格条件・試験対策
  • 合格後 登録する

 

  • 登録販売者とは・資質

登録販売者とは薬局、ドラッグストア等で売られている一般医薬品(風邪薬など)を販売できる専門職です。市販されている医薬品は、一般医薬品と呼ばれ、販売可能なのは、薬剤師と登録販売者に限られます。登録販売者等は、主にお客様に薬の説明を求められたら、説明義務があります。そこで、的確に説明すれば、売り上げアップに繋がるでしょう。

登録販売者は、接客が主になりますので、ハキハキ話す、好印象を心がけるなど、一般の接客技術も求められます。適性としては、接客に抵抗ないことが不可欠です。

説明するのが面倒、嫌いという方は向かないかもしれません。

時には、説明内容に納得がいかなくて、クレームを入れるお客様もいることでしょう。それでも、真摯に対応し、お客様のニーズに応える努力を欠かせない姿勢が大切です。

また、医薬品は日々進歩しますので、その勉強も大切になってきます。だから、勉強熱心、積極的に新しいことを取り入れる努力・心がけも必要です。

 

  • 勉強 独学でも?

登録販売者試験は、独学でも十分、合格を目指すことが出来ます。

ただ、独学といっても時間にかまけて、だれてしまう可能性も高いので、通学をしないならば通信講座が良いでしょう。

ただ、通学は色々と面倒だという方は、テキストも用意してくれて、定期的に提出する課題も与えられるので、だれることを防ぐという意味でも、通信講座をオススメします。

私の場合、ユーキャンに申し込み、だれることなく、合格を勝ち取ることが出来ました。

かかる費用としては、4~5万円ほどです。

 

  • 試験について

一年に一回、各都道府県で、8月~12月に実施されます。ただ、日程がそれぞれ違う場合がありますので、違う都道府県にはしごして、年複数回受験することも可能です。

複数回受けて、一回でも合格すれば、それで登録販売者の資格がもらえます。

 

  • 合格率・合格条件・試験対策

登録販売者の受験資格は、なくなり年齢や経験、学歴など問われず、誰でも受けることが出来ます。

登録販売者試験の合格率は、年々・都道府県毎でも違いますが、概ね40~50%ほどです。

つまり、2人に1人が合格でき、問題はマークシートで選択方式です。

実際の試験は、午前・午後の部と2部あり、午前は3科目で60問、午後は2科目で60問出題されます。全部で120問です。午前と午後で、問題の解くペースが変わると思うので、ペース配分をしっかり押さえておきましょう。

全部の問題で70%以上の正解で合格、問題数は120問なので、最低84問以上の正解が必要です。

さらに、5章からなる出題分野すべてで35%以上の正解、都道府県によっては、40%以上の正解が合格には必要です。ひとつの章で、一定の正解率を得られなければ、不合格となります。そこが注意点です。

ですから、試験対策としては、ひとつの分野を徹底的にやるのではなく、まんべんなく押さえることが必要です。

 

試験の難易度は高くなく、おおよそ「試験問題の作成に関する手引き」の中から出ます。基本を徹底的にたたき込み、過去問題を何回も解くことが重要となります。

そして、過去問で間違えたところを、集中的に復習し、苦手を出来るだけなくすことが肝要です。

ただし、テキストにも載っていないような問題も見られます。過去問をひとつ、見てみます。

例)

次の医薬部外品の製品群のうち、かつては医薬品であったが、平成16年に医薬部外品へ移行されたものはどれか。

1.   殺鼠剤 2.育毛剤(養毛剤) 3.健胃薬 4.浴用剤 5.腋臭防止剤

この中からひとつを選ぶのですが、これはなかなかマイナーな所をついていて、正解が難しいです。答えは3.健胃薬ですが、この問題などは落としても問題ないでしょう。

 

実際の試験では、語句を少し変えただけの、重箱をつついたような問題も出題されます。

文章の一語一句見逃さず、誤りの語句があれば、消去して次の選択肢に進むのが上策です。

 

午前と午後の試験の合間に、一時間半ほど休憩があります。昼食を取った後、全体をぱっと見返すだけにして、午後の部の試験に備え、体力と頭の回復に、よく努めておきましょう。

試験は、2時間✕2で長丁場なので、休憩時にトイレなどを済ましておくのが良いかもしれません。

 

  • 合格後、登録する

試験に合格後、1週間~1ヶ月ほどで、合格通知書が届きます。

その後、販売従事登録申請を行います。一般用医薬品を販売している勤務先との雇用関係の証明が必要です。
前もって就職したい企業と面接をし、勤務先を決めておきましょう。

登録販売者の資格は、色々なところで役に立ちますし、 汎用性があり、やりがいのある仕事です。服薬指導などで、大いにお客様のお役に立つことでしょう。

それが登録販売者のモチベーションになることもあるでしょう。

また、登録販売者として勤務を開始した後も、定期的に外部での研修を受ける必要があります。

厚生労働省ガイドラインによれば、登録販売者には1年間で計12時間の研修受講が求められているので、勉強の機会もあります

登録販売者は、薬剤師の補助的役割として、これからも需要が見込まれるので、登録販売者になりたい方は、早めの勉強で資格を取ってしまいましょう。